美と歴史を継ぐ、漆喰塗り替え再生
栃木県那須町にあるビール醸造所とレストランが併設する「那須高原ビール」。
レストランでは各国・各地で開催されたコンテストで数々の賞を受賞した世界が認める至極のビールを堪能できます。
2018年冬に放送された日テレ系ドラマ「獣になれない私たち」の最終回ロケ地になり、今まで以上に注目されている話題のスポットです。
施設の建築デザインには、世界的なアーティストの菅木志雄氏がかかわっており、美術館や博物館を彷彿させるため、アートさながらの空間です。
30年前に菅木志雄氏が手掛けたオブジェの塗り替えを、前回に引き続き今回もご依頼いただきました。
オブジェの再生として美しさを取り戻すために使用したのは「漆喰くるむ外」。雨水に対する抵抗性に優れており、汚れを雨水に洗い流すため、長期間美観を維持をします。
漆喰ならではのマットで上質な質感が周囲の豊かな緑や青い空と美しいコントラストを生み出し、滑らかに仕上げられた表面には、漆喰特有の微細な凹凸が光の当たり方によって繊細な陰影が浮かび上がります。自然の風景に溶け込みながらもその存在感を失わない美しいオブジェが、数年の時を経て再び蘇りました。
お客様からのご要望
前回施工していただいたオブジェが、年月とともに汚れが目立ってきたため、今回も景観に調和する美しい仕上がりをお願いしたいです。
壁の匠からのご提案
長年交流のある那須高原ビールのオーナー様から、以前に続き2回目のご依頼をいただきました。
経年劣化によって美観が損なわれたオブジェの再生として、雨に強く汚れが定着しにくく美観を長く保てる「漆喰くるむ 外」での塗り替えをご提案。
「漆喰くるむ 外」は、しっとりと落ち着いたマットな質感。太陽の光を受けると、漆喰の微細な凹凸が繊細な陰影を生み出し、時間帯によって変化する表情がオブジェに奥行きと豊かさを与えます。
避暑地として古くから愛される那須の自然に佇む、那須高原ビール。その象徴であるオブジェを年月の深みを活かしながら、より長く調和しつづけられるよう、丁寧に施工いたします。
地域 | 那須町 |
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施工箇所 | オブジェ |
工期 | 1ヶ月 |
築年数 | 30年 |
使用建材 | 日本プラスター:漆喰くるむ 外 |
施工前
長年の風雨に晒された痕跡として全体的にくすみと汚れが見られ、特に下部や水の溜まりやすい箇所には、黒ずみやカビが広範囲に付着していました。
また経年劣化による変色や、塗膜の剥がれや浮きも見受けられました。
施工中
塗装前には劣化状況の正確な把握と最適な施工計画を実施し、足場を組み立て、養生シートを設置した後、コテを使い白い漆喰の材料を壁面に均一に塗り広げました。
最後にコーティング加工を行い、耐久性や防汚性を高めました。
施工後
以前の汚れや変色が完全に除去され、オブジェ本来の清らかで美しい白さを再現しました。
周囲の自然環境に溶け込みつつ、漆喰の柔らかな素材感が、木々や岩といった周囲の要素と調和。モダンながらも温かみのある景観を演出します。
斜めに走るラインやオブジェの端に配置された岩との組み合わせが、白くリフレッシュされた壁面によってより鮮明に。単なる塗り替えに留まらず、オブジェの芸術的価値を最大限に引き出す仕上がりとなり、数年の時を経て再び蘇りました。